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東京モンローズ・左サイドスローの超軟投派投手・#42が、鋭い直球提言を書きなぐる。


by hbp42

「いいひと」のご乱心

 SMAPの草なぎ剛(34)が、公然わいせつ容疑で逮捕されたのは周知のとおり。ここで、いちばんの問題とすべきは、なぜ“草なぎメンバー”と呼ばないのか、という1点に尽きる。01年に同じくSMAPの稲垣吾郎が警官ひき逃げという大罪を犯したときに、テレビ各局の首脳陣が集いトップ会談が開かれ、呼称は“稲垣メンバー”とすることに決め、ジャニーズ、特にSMAPにおいては“メンバー”という呼称を用いるというコンセンサスが取れていたのではなかったのか?

 有名人が逮捕された際の呼称といえば、「布袋ギタリスト」(町田康とケンカした)や「島田紳助司会者」(女性マネージャーを殴った)、「小泉(今日子)タレント」(当て逃げ)など、どれも秀逸なコピーが付けられたものだが、特に「稲垣メンバー」がいい味を醸していたのは、人物に的確な呼称を付けたというよりも、“気遣い”というニュアンスのほうが、色濃く反映された点だろう。草なぎは、気を遣ってもらえなかったのだろうか。

 ところで、草なぎと言えば「いいひと」というイメージの御仁。そのキャラを決定づけたのは、97年のドラマ『いいひと。』(フジテレビ)であろう。北海道から上京した主人公が、その純朴なる性格で「都会」、そして「社会」と向き合うテーマのストーリーだった。
 この作品には同名の原作コミックがあり、作者・高橋しん氏がドラマ化にあたって提示した条件はいたってシンプル。「主人公・ゆーじと、恋人・妙子のキャラクターを変えないこと」。だが、たったこれだけの条件は、“ジャニーズ事務所の意向”により、あっさりホゴにされる。第1話を見た高橋は、草なぎ演じるところのゆーじが、まるでトム・ハンクスの『フォレスト・ガンプ』のような、いい人というより“ピュアすぎる”キャラクターに呆然とし、第2話以降、見ないようにしたという。ささやかなる抵抗として、「原作」だったクレジットは「原案」に変更させたが、ショックは冷めやらず、コミックの連載は止めてしまった。
 こんな原作者の苦悩をよそに、ドラマは大ヒット。草なぎのパブリックイメージも、まさに“いいひと”ということになり、SMAPの中において、いまいちパッとしなかった男が、キムタクに次ぐ人気者になっていったのだった。

 今回の事件、その後の薬物テストなどでアルコール以外が検出されなければ、「無罪放免」は確実だろう。何しろ、婦警をひき逃げした“メンバー”が、実刑にならない“特区”の人間なんだから。そもそも、「うるさい」という迷惑を掛けた程度で、誰も傷つけていないわけだし、全裸にて股間を指さし「アンテナよし!」ぐらいの居直りを見せてほしいのである。


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「裸になって何が悪い」と、警官相手に立ち回ったという草なぎメンバー。この主張には、井出らっきょも「そうだ、そうだ」と援護射撃したとか、しないとか(笑)。
# by hbp42 | 2009-04-23 14:46 | テレビ
『サムライJAPAN 連覇』が、にわかに予言書であったと噂になっている。いや、私が吹聴している。なにせ、1月の時点で“連覇”と言い切り、その根拠に『1年目の原辰徳は必ず結果を出す』というオカルトめいた事象を上げているのだ。ちなみに、東海大相模高時代は1年目からレギュラー、東海大進学後も当然、人気注目選手であり(結果を出しているとは言えないが・笑)、そして巨人入団1年目、ヘッドコーチに昇格した00年、長嶋勇退の後を受けて監督に就任した02年にはいずれも優勝。だから、今回の初・日本代表監督でも優勝しちゃうぞ、と言い張っていたのだ!
 それはさておき、連覇のおかげて微増ながら増刷も決定し、うれしい限り。レギュラー確約の岩村が、決勝ラウンドに至っては、チームの足を引っ張ることもなかったし、何よりイチロー先生が最後の最後に決勝打を放つというオールオッケーぶり。
 だいたい、通常のイチローであれば最後の場面、次の打者が好調の中島であっても、敬遠される可能性が高かっただろう。韓国のキム・インシク監督は敬遠を含めたサインを出したが、うまく伝わらなかったとコメントしたが、まさに韓国バッテリーに勝負を選択させたのは、この日すでに3安打していようが、今大会のイチローが不振だったことが大きいだろうし、もはや、イチローの不調は、この瞬間のための長い前ふりだったのでは、と思いたくなるほど。ダルビッシュが9回に追いつかれたことも含め、神懸かりなシナリオでの連覇だった。しかも、今回は韓国に勝ち越しとあって、気分もいい。

 このWBC、日本にとっては「韓国との5番勝負」という感さえあるいびつな大会。一考の余地があるのは間違いないが、果たして、どのような改正をすべきなのか、1度、『朝まで生テレビ』みたいな感じで討論してみてくれないだろうか? でもテレ朝がやると、南原と栗山がゲストの古田をヨイショして終わる、というより、古田発言が常に正解という印象になる番組になってしまいそうでナンだが。

 短期間で、野球の優劣を付けるベストな対戦方法は何か。それは、どこに重きを置くかによっても違ってくるはずだ。
「最強のナイン」(実際には救援投手なんかも含むが)を揃えたチームこそ最強というのなら、甲子園のような勝ち抜きトーナメント式でいい。この際、敗者復活は必要なく、また投球制限も必要ない。横浜高時代の松坂や、08北京五輪の上野由岐子のような投げまくるエースがいたほうが面白い。
 ただ、通常のプロ野球はシーズンを通して優勝を競う。エースがどれだけ勝ちを積み重ねても、2番手、3番手にいい投手がいなければ、結局、負け越すのである。絶体絶命の場面で、左打者であれば確実に抑える投手がいたり、また、そんな左のワンポイントから高い確率でヒットを打てる代打の切り札がいるチームが最終的に優勝できる。つまりは「層の厚さ」。であれば、予選リーグで各国3連戦ずつくらい消化して、アメリカのプレーオフのような形式のトーナメントで決着を付けるというのが理想のように思う。
 すると、現在の出場国からしてもかなりの大会期間を要するから、やはり無理か。ちなみに、この形式なら、日本は韓国に絶対に負け越さない。
 今回のWBCでは、最も負けて優勝するケース(1、2ラウンドで敗者復活枠から勝ち上がり、順位決定戦で負ける)で6勝4敗。勝率.600。ペナント優勝チームの勝率を考えると、案外、いい線だなぁと思ったりもする。
# by hbp42 | 2009-03-27 10:34 | 野球
『サムライJAPAN 連覇』があんまり売れていないのである。だから、サムライJAPANが連覇してくれないと困るのである。なのに、韓国に2度目の敗戦を喫したのである!!!
 3月7日の対韓国初戦は14-2で7回コールド勝ちという圧勝を見せたサムライJAPAN。「向こう30年は手を出せないと思わせるような試合をしたい」という、前大会のイチローの言葉を3年越しで叶えたかのような結果だったが、3月9日の2戦目は0-1で完封負け。3日で手が出せたのであった。
 そして3月18日の3戦目、イチロー大先生の内野ゴロの間に取った1点のみの1-4の完敗。メディアはこぞって、「日韓の実力差はほとんどない」と評すが、言ってしまえば、代表クラスは「韓国の方が強い」と僕は思う。

 敗因を挙げればキリがないが、結果から見て投手陣よりも打撃陣に原因があるのは明らか。中でも「メジャーリーガー」の看板を引っさげてやってきたイチロー、岩村、福留がまったく役に立っていない。
 調子が悪いのなら外せばいいのだが、原監督にはそれができない。テレビ中継では、CMの間もイチローがよく出てくる。一説には、イチローを使うことが各スポンサー、支援団体の“意向”であるとの声も聞かれる。元より、イチローが足を引っ張るなんて、誰も想定していなかっただろうが。
 岩村は、前大会で今江(ロッテ)の控えに甘んじたことを根に持っていた。JAPAN入りの条件として、レギュラー確約、しかもメジャーにて定着したセカンドでしか出場しないという付帯項目まで取り付けたという。この煽りを受けた形で、西岡(ロッテ)や松井稼(アストロズ)は代表招集されなかったのだ。福留に関してはよく知らないが、とにかく、球界は常に“しがらみ”という束縛からは逃れられない。


 明日、19日にはキューバとの再戦がある。ここに勝利すれば決勝ラウンドにコマを進めることができる。その前、20日には韓国との1位通過決定戦がある。日韓が決勝まで進めば、さらにもう1戦。なんで世界一を決める大会で同じチームと5回も戦わなければ(しかも勝ち数は2勝3敗でもOK)ならないのか。
 しかし、前回の王者の栄冠は、その恩恵に預かったわけだ。そして、そのときも日本に勝った韓国チームは、マウンドに国旗を立てて喜んでいた。

WBCは「負けてもいい」大会なのだ!_b0085643_23321541.jpg




初回に3点をダルビッシュから奪い、投手リレーで逃げ切った韓国チームは、勝利後、前大会同様にマウンドに国旗を立ててチームの勝利を喜んだ。これが、「負の連鎖」となるだろうか?
# by hbp42 | 2009-03-18 23:32 | 野球
 私事で恐縮だが、来年に結婚を控えているのである。なぜ、ブログにおいて個人的な記述に恐縮しなければならないのかは不明だ。
 で、そのお相手の年下のベイベが、突如、平松愛理の92年のヒット曲『部屋とYシャツと私』のPVをYoutubeで見るよう言い出した。
 映像の内容はある部屋の定点観測で、曲の主人公・私、が生まれ、成長し、嫁いでゆき、年を重ねてゆく様子を描いたものだ。それについては特に感想もなく、曲についても当時を含め、今もって聞いたところで何も響くものはないんだが、この「曲名」にはただならぬ気配を感じる。

 曲中で繰り返される「部屋とYシャツと私 愛するあなたのため 毎日磨いていたいから」というフレーズ。“磨く”のはいったい何か、それはYシャツなのだろう。つまり「あなた」を想い続ける清純で従順な証としての純白のYシャツ。さらには「私」を含めて「あなた仕様になっていく」ということかも知れない。
 そして、「愛するあなたのため」が暗示するのは、このタイトルの3要素すべてに「あなたの」が前置詞として隠されているということだ。「あなたの部屋」と「あなたのYシャツ=あなたの私」。ただこのままではYシャツと私が重複する。「部屋とYシャツ」というタイトルでもよかったことになってしまう。では「私」には、どんな意味があるのか、それは「私を客観的に見ている視点の存在」があるということに他ならない。
 整理するとこうだ。
『あなたの部屋にいる、あなたと、あなたを想う私』を俯瞰(ふかん)で知覚している「私」。

 この曲を聞かされている「あなた」は、目の前でかいがいしく振る舞う「私」こと彼女をまんまと愛おしく思っている“だけでは”いけない。これらの様子を非常に客観的に観察している女の打算と情念に気づかなければならないのだ!

 当時大ヒットした『部屋とYシャツと私』。きっと、売り上げに貢献した多くの女性は、この“歌詞感覚”に共感したのだろう。もしかすると、これが平均的な女性の恋愛観なのかも知れない。で、年下のベイベはどうか?
「主人公がラストシーンで猫を抱いているところがいい」
 と、ケムに巻いたような回答をしてみせた。が、果たして真相は??


部屋とYシャツと私を見つめる「ある視線」_b0085643_484580.jpg同様のパターンの曲名に『愛しさとせつなさと心強さと』(篠原涼子)があるが、こちらは3つともまったく並列でなんの意味も深みもない。 参考文献/ぐっとくる題名(ブルボン小林著、中公新書ラクレ)
# by hbp42 | 2007-08-29 04:10 | 音楽
 今さら『エンタの神様』(日本テレビ)をツマらないと断じるのは“野暮”ってもんだろう。ネタの方向性を示す扮装で現れ、丁寧に字幕でフリもオチも明示。このわかりやすさ、要は子供向けということ。だが、現実としての圧倒的な“ツマらなさ”は確かにある。それも、見ているこっちが恥ずかしくなってくるくらいの。

 最近、一緒に住んでる年下のベイベの仕事が忙しく、土曜の夜にひとりでいることが多い。そこで密かに実践しているのが『エンタの神様チキンレース』。この番組を、チャンネルを変えることなく見続けるという競技だ。
 テレビ界の潮流は「ジャニーズのよしもと化」と「よしもとのジャニーズ化」のクロスオーバーにあり、最たる例として“おもしろくない芸人”が喝采をもって迎えられる、ある意味で現代的なテレビ構造を目撃できるのが、この『エンタ〜』であろう。この番組でブレイクしたオリエンタルラジオ(中田敦彦=24、藤森慎吾=24のコンビ。番組でのキャッチフレーズは「HIPHOPな武勇伝」)は、今や冠番組を4本数えるほどの売れっ子。しかし、それらどの番組においても取り立てておもしろくない。だが「別に許せる」おもしろくなさ、だ。誰もおもしろさなど期待してないから。
 一方で、ある日『ダウンタウンDX』(日本テレビ)を見ていたら出ていたエンタ芸人・にしおかすみこ(32=マイナスオーラの女王様)は、まだ“許される”域に達していないようだ。必然的な流れで「アタシだよっ!」のネタをやらされ(この感じが重要)たが、出演者含め何とも困惑した空気になってしまった。チョイスしたネタがおもしろくなかったのではなく、「これが今、巷で人気の」というエクスキューズのもと見せられた“芸”を、どうにか前向きに咀嚼(そしゃく)し、バラエティ的にリアクションしなければならないという、各出演者の葛藤を見たのだ。にしおかと言えば『エンタ〜』においても、出てくるなり「かわいい〜」などという的外れな歓声の中での登場を余儀なくされているが、これぞエンタ芸人の本質であり、「おもしろくなくてもスタァ」になってしまう功罪だろう。

 話をチキンレースに戻そう。その名のとおり、見るに耐えずチャンネルを変えてしまう難関がある。それが桜塚やっくん(30=怒れ!スケバン恐子)だ。野暮と承知のうえで申せば、桜塚やっくんの“恥ずかしさ”ときたら、並みいるエンタ芸人の比じゃない。ブレイク後、番組以外のメディアでもスケバン恐子というキャラ以外の彼を見たことがないが、とにかく、笑いの一切介在しない活動(写真集やCDを出したり)と、そのアイドル的本気ぶりがいかんともし難く、この番組においてもそれは存分に発揮されていると言える。
 スケバン恐子というネタは、桜塚があらかじめ書いてきた絵に対し、その場で急に役割を与えられた観客が桜塚の合図で即興のセリフを発し、それに対し桜塚がツッコミを入れるという“ヤラセでなければ成立しない”構造になっている。役割を与えられる観客はどう考えてもサクラだ。まあ、それは良しとして、この「スケバン恐子」というエンターテインメントは、桜塚と観客の丁々発止が見せ場なわけだが、交わされるやりとりがおもしろいんではなく(むしろ、恐ろしいまでにツマらんのだが)、“スタァのやっくんとカラむ疑似体験”が売り物なんである。そんなものを、桜塚を好きでもなんでもないのに見せられているこっちの身にもなってほしい。恥ずかしくてたまらんではないか。さらに、それが「お笑いネタ」というラッピングでもって放送されてるんだから恐ろしいッス! ちなみにこのチキンレース、以前『真剣10代 しゃべり場』(NHK)でもトライしていたが、1度も完遂できたことはなかった。


最後まで見たヤツこそ「神」_b0085643_25248.gif
競技中、恥ずかしのリミッターを増幅させるのが、登場芸人の紹介VTR。とほほなキャッチフレーズと、切り抜き静止画像が組合わさった演出がくすぐる。ちなみに画像はヒライケンジ(35=負組(おちこぼれ)のポップス新ガー)。だってさ。
# by hbp42 | 2007-08-29 02:11 | テレビ